ASRリサイクルを考える

-自動車リサイクル法の問題点-

 日本のシュレッダー事業は1970年代初めの3基に始まる。その後、高速道路の普及や所得の向上などモータリゼーションの波に乗って廃車台数が増加するとともに、購入側である鉄鋼メーカーより選別能力評価を得て、80年代後半から90年代にかけては大型化も進んだ。現在の設置数は189基、最大4,000馬力3基、平均馬力数は1,250。標準算定式による年間処理能力は約500万t。
 過去35年の歴史の中で、「豊島」におけるシュレッダーダスト不法投棄事件が社会問題化し4つの契機を与えた。その一つが96年5月のシュレッダーダスト管理型処分の移行である。移行により処分場の切迫と処分コスト上昇問題が勃発し、ダスト処理の多様化を促した。RDF化技術開発もその一つである。シュレッダー事業者は、積極的にダスト減容固化(RDF化)対策に取り組んだ。鉄リサイクル工業会調査による02年時点の固化設備数は計画中を含めると37基、処理能力は当時のダスト発生量の60%を持つに至った。そしてセメント等への外販を試みるも、含まれる塩素問題未決のまま、05年1月自動車リサイクル法施行を向かえる。
 自リ法では、ASR処理はカーメーカーの管理、運営下に置かれ、しかも量の処分に重点がおかれた。自リ法で認定された減容・固化施設はARTグループ10、THチーム12、共通を除く計は15事業所であり、殆どが埋立て処分のためのものである。しかも2015年のリサイクル率達成のためには、埋立て処分量を低減しなければならないため、RDF化量は先細りの方向にある。
 このほかに電炉メーカーが傘下のシュレッダー事業者と組んで、RDF化したものをコークスの代替燃料として使用している4事業所がある。しかし全国普及は成されていない。従って現時点のRDF化実施事業所合計は19である。しかし自リ法施行によってASRの処理及びRDF化は認定制度下にあり、しかもインセンチブはカーメーカーが決める状況にある。法律によってASR処理が行われているため、事業者によるASRリサイクルの開発や普及は発展しない(必要ない)構図となっている。

2007.12.27
株式会社鉄リサイクリング・リサーチ 代表取締役 林 誠一